三色ボールペンで読む仕様書(1)

はじめに

 先ほどAmazonで見たら出版日が2005年12月になっていました。「三色ボールペンで読む仕様書」という記事をソフトウェアテストPRESSに寄稿したのは、もう5年も前のことです。
 この記事は僕が想像した以上に皆様に受け入れられたようで、シンポジウムやセミナーなどで、いまだに「三色ボールペンやってます」と声を掛けてもらいます。有り難いことです。テストエンジニアだけでなく、開発エンジニアにも広まり、ごく普通のテクニックとして使われるようになっています。また、新人研修のいろはの「い」として教えている組織もあるようです。
 それに伴って、いろいろな質問を受けるようになりました。例えば、「三色じゃないといけないんですか?」とか、「エンジニアリングではないですよね?」とか。質問の中には、記事を読んでいただければ、分かることもあるのですが、ソフトウェアテストPRESSの入手が困難になっていることもあり、難しいのだと思います。
 そこで、三色ボールペンの使い方について、書こうと思います。なお、ソフトウェアテストPRESSの記事をアップしているわけではないことをご了承いただきますようお願いします。

三色ボールペンが生まれたきっかけ

 当時、僕は現場部門からスタッフ部門へ異動し、テスト研修の講師や社内コンサルテーションを実施していました。テスト技法を知っている人が少なかったため、技法の研修を中心に行っていました。テスト技法を学び現場で活用してもらうためです。でも、現場に戻ったとき、技法を使える人と使えない人がでてきました。
 使えない人が、テスト技法を忘れてしまった人でしたら、再教育をするだけです。仕事で使うのだから覚えてもらうしか有りません。しかし、そうではありませんでした。テスト技法を十分に知っていながら、活用できないのです。


 恥ずかしい話、何が問題なのか、見当も付かなかったのです。いろいろな書籍を読んだり、当時はやり始めていたブログを読んだり、試行錯誤していた時期です。
 テスト研修での問題の解き方を観察したり、現場に入ってテスト設計を観察したりしました。すると、現場でテスト技法が使える人と使えない人の違いは、仕様書の汚し方、汚し度合いでした。テスト技法を使えない人の仕様書はきれいなままでした。当然、そうでない人もいるわけですので、直ぐにそれが答えと思ったわけではありません。ただ、なんとなく突破口になりそうな予感がありました。


 そんなとき m_pixy さんのブログを読みました。

仕様書に色つきペンで書き込みしていくとあら不思議、テスト項目が浮き上がる。みたいになるといいのかも。

今から見れば、つぶやきレベルの内容です。このつぶやきから、
http://blog.goo.ne.jp/mickey_suzuki/e/1787b7b1fc5dddcfe62352c8e0c2cf95
http://blog.goo.ne.jp/mickey_suzuki/e/bb85ffc2c9c062b41e17e5703ef7c031
http://d.hatena.ne.jp/m_pixy/20050531
というやり取りをしていました。


 同時期に、様々な事柄を試しています。テスト技法を使えないのは、仕様書の読解力が不足しているのではないかと思い、いろいろやってみました。大学予備校の国語や英語の時間に習う線の引き方とかもトライアルしています。複雑過ぎて仕様書を読むのには使えませんでしたが、とにかく何でもチャレンジしていた頃です。その中、多くの人から賛同を受けたのが、三色ボールペンでした。

三色ボールペンを用いた仕様分析

 三色ボールペンを用いた仕様分析は、三色ボールペン情報活用術を参考にしました。三色ボールペンを用いた仕様分析では、三色それぞれに意味を持たせます。その意味は p.38に載っているものを参考にしました。

赤──客観的に見て、最も重要な箇所
青──客観的に見て、まあ重要な箇所
緑──主観的に見て、自分がおもしろいと感じたり、興味を抱いたりした箇所

 ただし、仕様書を読んで「おもしろい」と思うことは少ないと思いましたので、緑だけ意味を変えて

緑──主観的に見て、おかしいと感じた箇所

にしました。